次の点についてお伝えします。
・この本の気になった点、気づいた点
私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。
この本は、30年くらい前の私が中学か高校の時に読み、印象深かった本です。
昔読んで印象に残った本を一冊あげろと言われたら、この本です。
大人になった今、読んでどう感じるのかと思い、改めて購入してみました。
ネタバレにならないよう、ストーリーは載せません。
三浦さん自身が、難病にかかり、そののちにクリスチャンになっています。
この本自身、キリスト教の団体の雑誌に掲載されていたものとのことです。
映画にもなったそうです。
書評「塩狩峠 三浦綾子」【人のためは本当か】
著者 三浦綾子
出版 新潮文庫
気づいた点
この本の伝えたいことは、やはり完璧な人はいないし、人はみな平等である。
そして、完璧でないからこそ、完璧を目指すところに人の生き方がある、ということでしょうか。
大人になって改めて読んだ際には、
目の前の誰かのためにと思うその心こそが、相手に対して自分が優位にあると思ってしまっている。
そういった点に気づかされたように思います。
もともと、この話は、実在の人物と事故をベースに書かれています。
その事故については本の背表紙にも書かれています。
それが物語のクライマックスとして書かれているように思いますが、本当はそうではない風に読み取れました。
皆、良い人間として生きていきたいと思っている、ではそのためにはどうしたら良いのか、それを聖書という切り口で一つの答えを書きました、ということに思います。
私を含め、多くの日本人にとって、クリスチャンというのは身近ではないかもしれません。
最近ですと、年末年始に、新宿などで拡声器をもってテープを流している人たちは見かけます。
世の中の人たちの救済なのでしょうか・・。
宗教というところに踏み込むと難しい話になりますが、生きるとは何か、善人とは、悪人とは、ということをテーマにした、一つの実話をモデルにした物語として興味深い話です。
私自身も、悪人がレベルが低く、良い人がレベルが高いという風にとらえたくなる部分はあります。
でも、本当のところはそういうものはないだろうなということも理解はしています。
それを受け入れるためには、自分自身が自分に自信を持っていなければ、難しい話です。
自分に自信がない人は、なかなか他人をすごいとは言えません。
自分に自信がある人は、他人にすごいと言えます。
これが難しいところです。
そういった、生きるということについて考えることができる本です。
もしよろしければ、読んでいただければと思います。