八木仁平 書評

書評「やりたいことの見つけ方 八木仁平」【仕事で悩んでいる人の一歩に】

次の点についてお伝えします。

・この本の要点3つご紹介

私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。

このテーマは、私が大学でキャリアの講義をもっていることもありますが、私も常に考えているテーマです。
この手の本は何百冊か読んでいると思います。
その中でもこの本は、シンプルでいて、わかりやすく、参考になる箇所が多い本でした。

長く本屋で山積みにされていますので、とても売れている本でもあると思います。

2,3分で読めますので、もしよろしければ記事の目を通してみていただければと思います。

書評「やりたいことの見つけ方 八木仁平」【仕事で悩んでいる人の一歩に】

やりたいことの見つけ方

著者 八木仁平
出版 KADOKAWA

仕事は「なりたいもの」で選んではいけない

子どもに対して「なりたいものは何?」と聞く親がいますが、その質問はおすすめしません。その質問をすると、子どもは職業イメージのいい仕事を答えてしまいます。
子どもに聞くべき正しい質問は「今何をやっているのが楽しい?」です。この質問をすれば、子どもがどんなことに興味を持っているのかを知ることができて、子どもが本当に楽しめる仕事に繋がりやすくなります。

出典 「やりたいことの見つけた」P.61

ここでの例は子どもに対しての例ではありますが、当然、私たち大人にとっても同じことが言えます。
就職活動をはじめるときでも良いのですが、「自分は何になりたいのだろうか」と考えてしまうと、その時点でずれている、ということです。

「やりたいこと」と「なりたいもの」は違う、と本文でも書かれています。
例えば、子どもたちが良く「Youtuberになりたい」と言いますが、それは「実現手段」の一つにすぎないと。

実際のYoutuberは台本作成、撮影、画像編集、テロップなどなどがあるわけです。
でも、子どもたちは、「Youtuber」は楽しそう、というイメージだけですね。
本当に具体的なその作業が好きなのかどうかというとそれは別の話です。
その点に注意して考えろ、ということをこの本は言われています。

子どもたちのなりたい職業は全てイメージで選ばれているから、「〇〇屋さん」で働きたい、などになります。
そういった統計が毎年でますが、子どもにそういったことを聞くことが非常にナンセンスだということになります。
もっとも、統計を発表している側は子どもたちを知りたいのではなく、イメージを知りたいのだとは思います。

「直感的に」ではなく「論理的に」やりたいことを見つけ出す(本文より)

CHAPTER1でよくある間違いとして、「やりたいこと」を見つけるとなると「どこかにある天職に偶然出会うこと」を想像される方が多いと書きました。運命の出会いで「これが一生を捧げられる『本当にやりたいこと』だ!」と確信して、脇目も振らずに行動していける人のエピソードが、色んな自己啓発本で語られているからでしょうが、そんな人は全人口の1%ほどしかいないのではないかと僕は思っています。
僕と同じ残りの99%の普通の人は、パズルを組み立てていくように、1つ1つ自分の気持ちと向き合って「本当にやりたいこと」を見つけていくしかありません。

出典 「やりたいことの見つけた」P.49

これは、陥りやすいワナですよね。世の中の経営者の本とかを見ると非常にこういった1%の天才があふれています。でも、私たちは、その天才ではないわけです。
自己啓発系の本は読みやすく、自信も持てます。
そこを基準に考えると、自分のやりたいことがどんどんわからなくなる、ということがあります。

八木さんのこの本のすごいところが、そういう方法はやめて、論理的に現実的に考えましょう、ということです。

八木さんはファッションにも興味があるそうですが、このことについても言及されています。
センスのある人は直感でパッパと良い服を選べます。
でも、センスのない人が直感で選べますかと。
ダサイ服装になるのはあたりまえですよねと。
ならば、理屈を学ぶべきだと。

好きなこと×得意なこと×大事なこと=本当にやりたいこと(本文より)

・すっと成長し続けていけるのが「好きなこと」(情熱)

「好きなこと」とは「自分の情熱がある分野」のことです。例えば、心理学、環境問題、ファッション、医療、ロボット、デザインなど。就職・転職を考えている方にとっては「業界」と説明した方がわかりやすいかもしれません。
(中略)
・実は100%全員が持っているのに気づいていない「得意なこと」(才能)

続いて、「得意なこと」とは「自然と人よりも上手くできて、やっていて苦なく心地よいこと」のことです。自然とできてしまうことなので「才能」とも言います(特性や性格と呼ばれることもありますね)。

出典 「やりたいことの見つけた」P.53

まず、この2つの掛け合わせで、「やりたいこと」を見つけると書かれています。
例えば、好きなことが「自動車」で、得意なことが「モノづくり」ならば、メーカーでの開発などになります。
この例は私が勝手に作っただけですが、他にもたくさんの例が本文には載っています。

・働き方を決める上で最も重要な「大事なこと」(価値観)

僕の提唱する「自己理解メソッド」の最後の要素は、「大事なこと」です。「価値観」という呼び名の方が聞き慣れている方が多いかもしれません。(中略)「やりたいこと」は行動を表しています。一方「大事なこと」は状態を表しています。
例えば「自由に生きたい」「人に優しく生きたい」「安心して生きたい」「穏やかに生きたい」「熱中して生きたい」などが「大事なこと」の一例です。
どれも行動ではなく状態だということが分かってもらえるでしょう。英語で言うとDoingと、Beingになります。
「好きなこと×得意なこと」という行動だけではなく、状態も合わさって、初めて「本当にやりたいこと」になるのです。

出典 「やりたいことの見つけた」P.66

本文の中では、「好きなこと×得意なこと×大事なこと=本当にやりたいこと」が公式として出てきます。
もちろん、この公式だけ知っても具体的に「本当にやりたいこと」というのは見つからないと思います。

この「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3つの要素を見つけるためにはさらに具体的にどういう風に考えたらその3つが見つかるのかなども載っております。

自分探しに走っても永遠にその森からは出られません。
では、こういう直感に頼らない方法もありますよ、というのがこの本の伝えたいことだと思います。

仕事選びに関わらず、自分を知るための本としても参考になりますので、是非一度読んでみてください。

目次

CHAPTER1 「やりたいこと」探しを妨げる5つの間違い

CHAPTER2 なぜ「やりたいことがわからず迷い続けてしまう」のか?

CHAPTER3 「やりたいこと探しを最速で終わらせる公式」自己理解メソッド

CHAPTER4 人生を導くコンパス「大事なこと」を見つける

CHAPTER5 「得意なこと」さえ見つければ何でも仕事にできる

CHAPTER6 「好きなこと」を見つけて努力とサヨナラする

CHAPTER7 「本当にやりたいこと」を決めて「本当の自分」を生き始める

CHAPTER8 「人生を劇的に変える」自己理解の魔法

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