書評 西野亮廣

書評「ゴミ人間 西野亮廣」【どうやって生きていくか悩んでいる人へ】

次の点についてお伝えします。

・この本の気になった点を3つご紹介

私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。

西野さんは、もともとはキングコングというお笑い芸人として有名なのかもしれません。
テレビで活躍していたのですが、それをやめ、今は絵本作家となり、2020年12月公開の映画「えんとつ町のプペル」の中心者です。

「えんとつ町のプペル」の映画を見た帰り道、本屋で西野のさんのこの本を見つけて手に取ってみました。

どうして人気絶頂の時にテレビ業界を去り、新しいステージで活躍できるようになったのかなど、詳しく書かれています。
これからどうやって生きていくか、悩んでいる人にこそ参考になる本です。

書評「ゴミ人間 西野亮廣」【どうやって生きていくか悩んでいる人へ】

ゴミ人間

著者 西野亮廣
出版 KADOKAWA

世界を獲れないならステージを変える

相方や、仲間達は、「なんで、こんなに仕事が上手くいっているのに、辞めるんだ」と言いましたが、「上手くいっているのに、この程度の結果しか出ていないから辞める。一番を目指すのであれば、僕らは結果の出し方を根本的に間違っている」と返しました。もちろん、当時は誰からも理解されませんでした。
次に始める仕事のアテはありませんでしたが、一つ確かなことは、「このままココにいても、エンタメで世界を獲れない」ということ。僕は、その人生には用はありません。仲間と何度も話し合い、テレビの仕事を畳む方向で話をまとめました。

出典 ゴミ人間 P.20

すごくわかります。全く理解されないんです。安定を求めている人たちにとっては。
人によって生き方はみな違います。いまだに親が子供に求める仕事の上位に公務員が入ってくるというのも、まさに「安定」を求める人が多いということでしょう。

西野さんが、トップをとるぞとテレビ業界でいくら努力しても、決してトップにはなれない、それならばステージを変えようというのはもっともなことです。

人によって、何を大切にするかは違います。自分が違うと思うのであれば、そのステージを変えるべきだということです。

ただ、それは決して楽な道ではないことだけは言えます。

この後の話にも、西野さんもひどい目にあったということを書かれています。

クラウドファンディングはマイナスになることも

下手すりゃ収支がマイナスになることも。
「クラウドファンディングをしておいて、収支がマイナスになるとは何事か?」と思われるかもしれませんが、これがクラウドファンディングです。
それでもやるメリットがあるからやっているのですが、それを知るには、「支援総額」ではなくて、「支援者数」に目を向ける必要があります。(中略)
クラウドファンディングの最大の魅力は、商品・サービスを世間にリリースする前から「結果的にお客さんになる作り手(共犯者)」が作れる点にあります。

出典 ゴミ人間 P.110

クラファンはだいぶ、有名になり、数年前くらいから使っている人を聞くようになりました。
お金を集めることだけが目的ではなく、まさにファン獲得のための方法だとはなるほどと思いました。

収支がマイナスになるなんて、と思いましたが、それでも良いわけですね。
未来のお客さんを集めるわけですから。

そして、時代が変わってきていると西野さんは言われています。
イベントに参加することよりも、スタッフとして協力したがっている人たちが増えているということです。
このことを、西野さんは、プロが作ったものをお客さんに出すレストラン型から、お客さんが食べたいものを作るBBQ型へ変化してきていると表現されています。

負けるもんか

負けるもんか。
コロナ禍の製作を強いられた「映画 えんとつ町のプペル」のリーダーとして決めたことが二つあります。
一つ目は、世界の誰よりも努力をすること。
二つ目は、この先どんな問題が襲ってきても、1ミリも言い訳せず、即座に対応すること。(中略)
「仕方ない」なんて言葉、死んでも吐くもんですか。

出典 ゴミ人間 P.225

プペルの映画ももちろんですが、感動しっぱなしの本です。

でも、感動しているだけではダメなわけです。
西野さんがなぜこの本を書いたのか。

もちろん、いろいろな理由はあるでしょうけど、本のカバーに「今にも灯が消されてしまいそうな人に寄り添い、励ますことを目的とした本です。」とあります。

この本を読んで、どういう行動に移しますか、行動し続けますか、ということです。

西野さんは、映画公開前で、この本を書くのもかなりタイトなスケジュールだったのではないかと思います。
でも、だからこそ、その時の想いを今伝えたいと考えられたのだと思います。
読んだ人にとって、なんらかの生きていくためのプラスにしてほしい、よりよい人生を歩んで欲しい、そう思っていると信じています。

プペルの映画と本、両方ともオススメです。

目次

  • 山に登って絶望を見た
  • 育児放棄をした過去
  • 巡り巡る物語
  • 信じ抜くんだ。たとえ一人になっても。
  • ファンとは何か?
  • 時代が変わった日
  • 僕らが起こした事件
  • 「面白い」を基盤から作る
  • 鳴り止まないエンターテイメント
  • 「映画 えんとつ町のプペル」の製作総指揮を務める覚悟
  • 忘れないように、忘れられないように
  • 100年に一度のウイルスに襲われた挑戦
  • 日本中から笑われた夢がある
  • ゴミ人間

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