次の点についてお伝えします。
・この本を読むことで得られること(3つにまとめました)
私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。
オリエンタルラジオの中田さんはYouTuberとしても有名ですが、そんな彼がどのようにして今にいたるのか。
新しいことを始めようとする人にとって参考になる箇所が多いと思われます。
2020/8初版のため、コロナ禍における対応についても言及されています。
この紹介記事は3,4分で読めますので、もしよろしければ目を通してみてください。
書評「幸福論 中田敦彦」【迷いながら、楽しみながら歩んでいるから参考になる】
著者 中田敦彦
出版 徳間書店
この本を読むことで得られること
- その1 怖いから飛ぶという考え方で次に進む
- その2 ヒットは最善の努力の結果
- その3 「Youtube大学」の裏側
その1 怖いから飛ぶという考え方で次に進む
中田さんは、お笑いのネタ「武勇伝」、ダンスミュージック「PERFECT HUMAN」、「YouTube大学」とヒットを飛ばしています。
ただ、その陰には何倍もの失敗作があります。
新しいことを常にはじめ、テレビからYouTubeにシフトしていますが、なぜそのような考え方に至っているかといえば、このように述べています。
イチからはじめたYouTubeにしてもオンラインサロンにしても、いまのところはうまく回っているけれど、安泰なんてことはまったくない。自分がいつ失敗するかもしれないし、ジャンルごとの時代の波に呑まれ沈んでしまうかもしれない。
それでも、みずから動かず沈没するのを待つことだけはしたくない。動いて動いて動きまくって、可能性を探し回るほうが性に合っているようだ。
怖いから飛ぶ。それがぼくの基本スタンスである。
20年前、30年前ならば通用した考え方、企業のやり方が通用しなくなってきています。
だからこそ、常に変化、変化が求められます。
大企業のマイクロソフトにしても、アマゾンにしても、次々に新しいサービスを出しては失敗しては引っ込めるという形です。
GAFAMと呼ばれる5大起業は、世界一の企業の集まりです。
残念ながら、日本の東証一部の企業(2000社以上)の時価総額を合わせても、このアメリカの5社にはかないません。
企業にしても、個人にしても同じことが求められています。
私たち今、どうしていくか。中田さんは一つの答えをリアルに発信してくれているのだと思います。
その2 ヒットは最善の努力の結果
お笑いのネタ「武勇伝」はなぜウケたのか、そのことについても言及されています。
学園祭で初めて経験したステージも、一心不乱に完成させた「武勇伝」も、自分のなかでやり切った感は充分にある。その時点でのベストを尽くして、考えに考え抜いた。すると、おのずと結果がついてきたのである。(中略)
ただ目の前のことに熱中して、人前に出すものに対して最善の努力を傾け、突き詰めてつくり上げ、舞台の上に立てばそれを自信を持って届けようとはしてきた。
この箇所は非常に参考になります。
お笑いなど、まさにネタや鮮度が大事に思われます。
ただ、中田さんはそれだけではないのではないかと。同じネタであっても、ウケる時、ウケない時があるそうです。
舞台に出てきた瞬間に感じ取れると言います。
どんな仕事であれ、YouTubeであれこの取り組み姿勢があるからこそ、誰もが驚く結果を出せているのだと思います。
その3 「YouTube大学」の裏側
どうして「YouTube大学」なのか。
そのあたりについては、まず、アウトプットし続ける自分でありたい、ということがあるそうです。
また、本の紹介が多いですが、その収録に向けて、2日で1冊を読むそうです。ただ、その本を紹介をするにあたり関連書籍を何冊も読んで準備しています。
ホワイトボードもあれがカンペのようになるからこそ、ちょうど説明しやすいそうです。
もともと本を読む方ではなかったそうです。
本をたくさん読むようになり、知識、思想、感情のこの3つを伝えることができれば動画を見てくれた人にも伝えることができる、それこそが最高のアウトプットだと言われています。
話し方についても文学や偉人については、落語っぽく、歴史を扱うときには、講談っぽく演じたらよいと考えているとのことです。
「落語」と「講談」の違いですが、「落語」は、会話によって成り立つ芸であり、「講談」は話を読み伝える芸、と言えばよいでしょうか。
中田さんがやられている動画や解説にしても、決して見たことも聞いたこともない題材をやられているわけではないです。
でも、中田さんは次のように書かれていました。
史実や事実としてはよく知られているにしても、「中田が演じる世界史や文学作品の解説はおもしろい」と思ってもらえたら成功である。
誰もが知らないことを話さないといけない、ではなく、自分が出すからこそ伝わることがある。
そういったスタンスです。
難しい話をどうやってかみくだいて、わかりやすく伝えていくか、それが中田さんのスタンスだと言われています。
「幸福論」を読んだ感想
他の書評で紹介している池上彰さんもわかりやすく伝えることに特にこだわっていらっしゃいます。
池上さんは、膨大な知識と現場での数々の経験を用いながらジャーナリストとして表現するのに対し、
中田さんもまた異なった切り口、特に自分の体で表現をする、つまり一つの「芸」としてわかりやすくしているように感じます。
ここに私たちが参考にする一つのポイントがあります。
例えば「わかりやすい」といったときに何を使って「わかりやすくするのか」ということです。
自分という「道具」はどういう特徴があるのか。
その特徴を知らないとうまく使えません。
「わかりやすい」という目標は一つだとしても、伝え方は人の数だけあるということです。
自分だけのオリジナリティで勝負する、その代わり自分にできる最大の準備をする、これが成功のポイントだと言われているように思います。
本文中に、生きることは大きなゲームをしているようなものだと書かれています。
だからこそ、めいっぱい楽しむ。オンラインサロンのメンバーを1万人にするといった目標もあるけれども数字はあくまで数字でしかない。
楽しむための数字であり、数字があるから幸福なのではないと。数字というのはお金等も含めてということです。
この本は、学生時代から、今にいたるまでに中田さんが何を考え、どのように取り組んだのかが非常に具体的に書かれています。
ここには載せませんでしたが、オンラインサロンはどういう意図でやられているのか、なども書かれています。
新しいことをはじめよう、とかインターネットでビジネスをしようと思っている人には、特に参考になる部分が多い本に思います。
ぜひ、読んでみてください。
目次
- ひと口のジュース
- 時間は嘘をつかない
- 二番目に手を挙げる
- 「知」は最高のエンターテイメント
- アイディアは準備された心に降り立つ
- 「前言撤回」精神
- 「光」の魔力
- 「自分」とは現象の蓄積である
- ひとりでは生きられない
- なぜ「武勇伝」はウケたのか
- 最強にして万能の武器は、言葉
- ぼくは「駄菓子」でありたい
- ドラクエはレベル0から15までが楽しい
- インプットとアウトプット
- 良書には「知識」「思想」「感情」のすべてがある
- 絶対勝者なんて存在しない
- 座右の書
- 普通ということ