書評

書評「夜に駆ける YOASOBI 小説集」【小説を読んでから聴くとシーンが浮かぶ】

次の点についてお伝えします。

・この本を読むことで得られること(ネタバレありません)

私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。
小説を音楽にするという、面白い取り組みなのでご紹介いたします。

書評「夜に駆ける YOASOBI」【小説を読んでから聴くと音楽に絵が浮かぶ】

夜に駆ける YOASOBI小説集

著者 星野舞夜・いしき蒼太・しなの・水上下波
出版社 双葉社

YOASOBIというのは、Ayaseさんとikuraさんの音楽ユニットです。
Youtubeでの「夜に駆ける」が2020/11現在1億回再生を超えており、曲を知っている人は多いと思います。

YOASOBIの楽曲の元となっている4つの小説がおさめられています。

この本を読むことで得られること(ネタバレありません)

なんとなく聴いていた音楽がリアルにシーンが目に浮かぶような、新しい感覚を得ることができます。

小説を読むことでまずその世界観が得られます。
その世界観をもったうえで曲を聴くと歌詞一つ一つがより意味を持ってきます。

感覚的には、ある楽曲の紹介をアーティストがしたときに似ています。
ただ、それに比べるともっと深く聴くことができます。

例えば「夜に駆ける」の楽曲の元となった「タナトスの誘惑 星野舞夜」は1900文字程度で非常に短いですが、それでも曲の歌詞よりは長いです。

得られる世界観というのは人によって異なります。
そのため、小説を読んでから曲を聴くとよりリアルにその人だけの情景が浮かびます。

この小説集の中で、一番ボリュームがあるのは「あの夢をなぞって」の元となった、「夢の雫と星の花 いしき蒼太」です。
映画やアニメにもできるくらいのストーリーがあります。

読んでから「あの夢をなぞって」の曲を聴くと、この小説の各シーンが早送りで物語が進んでいき、クライマックスを歌っているようなそんなイメージがあります。

まとめ

ここでは、「小説」を「音楽」にするという形でしたが、こういった変形はいろいろなところで活かされています。
「音楽」を「小説」にするということもあるでしょうし、「映画」や「アニメ」を「音楽」にするということは良く行われています。

上の写真にも載せましたが、カバーも2種類かけてありました。
そこも面白いところです。「特装版」と書かれていましたので、初版だけなのかもしれません。

クロスメディアとは昔から言われています。
この「夜に駆ける」の小説も、ネット上に公開されているものです。

リンク monogatary.com

それでも、本という手に取れる形で販売される。
もし、単純に中身を知りたいだけであればネットで読めばいい、ということになります。

本という形で販売されるのは、そこに何かがあるからだと思います。
CDなどにも同じことが言えます。
音楽サービスに加入する人は多くても、CDを購入する人はだいぶ減っています。

それでもCDは販売されています。
手に取れる形にする、そこに何か見えない価値があるということなのかもしれません。

似た話として、車も所有する人が減り、今後ますますシェアリングが進むはずです。
それでも、所有する人もいつづけると思います。
それは、車自体が好きな人です。

そういった一つの形を示してくれているのが、今回の本なのでしょう。
この本は、何気なく本屋で見つけて購入し、そのままカフェで読みました。
良い時間を過ごすことができました。

何気なく購入し、カフェで読む、きっと何百年にもわたって人が行ってきたことなのだと思います。

目次

第一章 夜に駆ける 星野舞夜「タナトスの誘惑/夜に溶ける」

第二章 あの夢をなぞって いしき蒼太「夢の雫と星の花」

第三章 たぶん しなの「たぶん」

第四章 未発表曲 水上下波「世界の終わりと、さよならのうた」

YOASOBI Ayase × ikuraインタビュー 小説が音楽になるまで

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