SDGs 日経ESG 書評

書評「実践起業のSDGs 日経ESG編」【SDGs初心者にわかる企業の取り組み紹介】

次の点についてお伝えします。

・この本の気になった点を3つご紹介

私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。

SDGsはだいぶ身近になりました。
東急東横線にもSDGsのラッピングされた電車が走っているくらいです。

ただ、実際のところ、SDGsがどんなものかは各企業取り組みをHPに出してはいますが、なかなかわかりにくいところがあると思います。

この本は、SDGsに関わるいくつかの切り口でまとめて、それぞれの企業のSDGsによる紹介がされている本です。
そのため、どういうことがSDGsに対応していることになるかなどが具体的にわかります。

この記事は2,3分で読めますので、もしよろしければ目を通していただければと思います。
最後に全目次の見出しを載せております。

書評「実践起業のSDGs 日経ESG編」【SDGs初心者にわかる企業の取り組み紹介】

実践企業のSDGs

編集 日経ESG
出版 日経BP
2020年6月29日 第1版第1刷発行

2万円のアジフライ

2019年12月から販売を始めたのが、「2万円のアジフライ」だ。これは、三重県の漁師を訪問してアジ漁を体験でき、自分でさばいて食べることができる体験をサービスにしたものだ。旅費は購入者の自己負担だが、宿泊も可能。発売して間もないが、地域の1次産業を体験したいという若者などから問い合わせが来ているという。消費者をファンにして、地域活性化につながる取り組みとして、生産者も期待を寄せる。

出典 実践企業のSDGs P.34

これを行っているのは、2018年6月から「たべるーぷ」を運用しているバリュードライバーズ株式会社です。
食品ロスをなくすということを主に行っています。

日本国内だけではなく、JETRO(日本貿易振興機構)の「SDGs型スタートアップ支援プログラム」に採択され、2020年2月からマレーシアのサンウエイ地区で実証実験を行っているそうです。

話はそれましたが、「2万円のアジフライ」というと、銀座に出てきそうなアジフライのフルコースかとイメージが出てきますが全く逆です。

わざわざお金を払って魚を捕ってさばく体験っていったいなんでしょうと思いますが、こういったサービスはますます進むはずです。
子供たちがどんな仕事につきたいかわからない、というのは、世の中の仕事を体験している数が明らかに少ないからです。

日本にもある「キッザニア」のリアル版といえるでしょう。

そういったサービスが増えるからこそ、一つ一つの仕事に対する尊敬も生まれますし、自分がどういう仕事に向いているのかもわかるようになります。

SDGs的に言えばこの取り組みは「14 海の豊かさを守ろう」になるかもしれませんが、実際はそれだけではありません。
「2 飢餓をゼロに」、「8 働きがいも経済成長も」などなどに重なります。

豚のPちゃんの話ではないですが(タイトルを見るだけで泣きそうになります)、スマホで注文すればなんでも届くような世の中で子供だけでなく大人も知る必要のあるサービスに思います。

見てわかるようにラベルをつけない

アサヒ飲料は、「ラク」と「エコ」をキーワードに、消費者の環境意識を高める。分別にかかる手間を減らして消費者にメリットを感じてもらえるようにするのも、効果的なコミュニケーションになる。
飲料メーカーは、プラスチックごみ削減やCO2削減の一環として、再生プラスチックやバイオマス(生物資源)プラスチックをペットボトルに採用してきたが、通常のペットボトルがむき出しになったラベルレス商品の場合、見た目が明らかに違うので大きな訴求力がある。

出典 実践企業のSDGs P.130

アサヒ飲料といえば、最初に就職した会社の関連会社でもあったので、関わった人や吾妻橋のオフィスを思い出します。
かつて、ビール業界がシェアを競っているとき、時代によってはビンの形で競ったこともあったそうです。
つまり、変わった形にすることで、消費者に買ってもらおうということです。

その時代のものはあくまでただのデザインですが、今回のアサヒ飲料のメッセージが含まれたデザインといえます。
何もラベルがついていなければ、それだけで目を引きます。
同時に、ラベルがないよ、ゴミが少ないよ、環境を考えてますよ、ということを伝えています。

商品の情報はQRコードか何かで読めるようにしておけばよい話です。

今は消費者もかしこくなってきています。
購入者だけがトクすれば良いというものはやがて売れにくくなることは確かです。

どうせ買うなら、たとえ少し高くても環境を考えている会社の商品を買いたいと思うのは普通の心理です。

収入より課題解決求める

仕事を通じて環境や社会課題を解決したいという若者は44%いる。環境や社会課題に関心があると答えた若者とほぼ同数いる。ただ関心があるだけでなく、解決にも関わりたいというところにSDGsネイティブの特徴がみられる。
解決したいという44%の若者のうち、収入が少なくても環境や社会課題に積極的な企業で働きたいという人は42%いる。収入より環境や社会課題の解決を優先する人が一定数おり、企業がSDGsに貢献することは採用において重要といえそうだ。

出典 実践企業のSDGs P.246

SDGsネイティブ≒デジタルネイティブとみてよいかと思います。

ざっと2000年以降に生まれた子たちは、物心ついたときからスマホのようなものは身近にありました。
参考までにiphoneが2007年発売です。

詳しくは本を見ていただければと思いますが、「環境や社会課題に関心があるか」などの問について、円グラフが載っています。
この統計は、20代313人、30代323人から回答を得て作ったそうです。

ここで、気になる点は、「給料が良い」ことよりも「環境や社会課題」の方が優先だと考える人が少なくない割合でいるということです。
環境問題などを解決したいという若者が44%となると約半数で、そのさらに半数は給料よりもと言っているわけですから、全体から考えると0.44×0.42=0.18です。

たったの2割とも言えますが、2割もいるとも言えます。
私はこの比率がますます増えていくと思います。
今回の統計は20~30代ということですから、デジタルネイティブではありません。日本が力を失ったバブル後に生まれてきた子たちです。

そうするとお金や力が重要と考える世代に思えます。
その世代にも2割もいるということは、恐らく2010年以降に生まれた子たちの比率は半数を超えると予想します。

2010年以降に生まれた子というと、今は小学生でしょうからクラスで統計をとってみるとある程度の数値はわかりそうです。

以上、3つをご紹介しました。
本当は、ジェンダーに関することなどもかなり詳しく取り上げられています。

日本は明治以降、特にモノづくり、職人を中心とした社会が長く続きました。
そのためにメーカーなどでは男性を中心とした会社が多かったのだと思います。

モノづくりはなくならないでしょうけども、今のような男性一辺倒のような企業は淘汰されていくでしょう。

今、すでにそれが進んでいるのかもしれません。

かつて私は日本のメーカーで働いていました。
ドイツなどに出張してもやはり技術者は男性が多かったのですが、中国は全く違います。

男性も女性も半々くらいだった印象です。
話を聞くと、出産などで一時休職しても、すぐに戻ってくるそうです。

今、中国がモノづくりの分野においても日本よりも先を行っている分野が多いのはそういうところも理由かもしれません。

SDGsの各企業の取り組みや担当者からの意見なども載っており参考になる書籍です。
もしよろしければ、目を通していただければと思います。

目次

はじめに

第1章 2030年への羅針盤 SDGsが企業の未来を創る

  • 経営者に浸透するSDGs ESG投資拡大が後押し
  • 経営戦略にSDGsを統合 将来の成長力につなげる
  • 第2章からを読みやすくするための用語解説

第2章 新しい発想と連携で枠を超える 動き出した「SDGsビジネス」

  • 社会起業家のSDGsビジネス 食品ロス削減、起業の好機
  • 連携でビジネス生み出す 発想を鍛え、他社とつながる
  • 経営の軸にSDGs 既存の枠組みを超える

第3章 RE100宣言相次ぐ 「CO2ゼロ」は生き残りの条件

  • CO2ゼロ電力を使う理由 本業を成長させる決め手
  • アップル、RE100の道筋 最後の難関、日本も達成
  • 丸井、ソニーの挑戦 未来に備え調達力磨く

第4章 マイクロソフトが号砲 始まった「脱炭素ビジネス」競争

  • カーボンネガティブに挑む理由 脱炭素急ぐITの巨人たち
  • マイクロソフトの戦略を徹底分析 「カーボンネガティブ経済へ」

第5章 その先にあるブルーオーシャン 変革迫る「プラスチック危機」

  • 資源循環が7兆円の商機生む 「ごみゼロ」へなだれ打つ企業
  • ビジネスモデルの変革で需要を開拓 30社がサブスクで「詰め替え」
  • 素材の変革に挑む化学メーカー 生分解性プラなどに40億円
  • 資源回収促すコミュンケーション変革 「見えるリサイクル」で啓発

第6章 投資家やNGOが厳しい目 「現代奴隷」が経営を揺るがす

  • 人権は経営の問題だ 狭まる投資家の包囲網
  • サプライチェーンをガラス張りに 味の素やファストリも動いた
  • リスクは足元にあった 対処難しい外国人労働者問題
  • 「世界標準」に追いつくための基礎知識 人権を経営に組み込む

第7章 日本の課題はダイバーシティ 「女性役員ゼロ」企業に未来はない

  • 問われる経営者の本気 ウォール街の巨人動く
  • 社内から女性役員排出する欧米企業 「機会」も「賃金」も平等に
  • 本腰入れ始めた日本企業 「先入観」に気付かせる
  • キャシー・松井ゴールドマン・サックス証券副会長に聞く
  • ESG投資が男女平等に追い風

第8章 多様性を高め、個を生かす 人的資本を伸ばす「真・働き方改革」

  • 法規制リスクを機会に変える トップ主導で「個」を生かせ
  • 社員のパフォーマンスを引き上げる 風土改革で時間を「濃縮」
  • 育児・介護・病気との両立を支援する 見えない不安を取り除く
  • 世界から見たニッポンの働き方 「個」の管理能力が問われる
  • 「働き方改革関連法」の影響 勤務時間の把握が焦点に

第9章 世界の課題は自分事 「SDGsネイティブ」が会社を変える

  • SDGsの理念なき企業に迫る人材機器 「将来世代」に目を向けよ
  • 20~30代の若者636人に聞いた 収入より課題解決求める
  • SDGsネイティブのリアル 2030年は目の前の危機
  • ソーシャルスタートアップ最前線 稼いでこそ社会貢献

第10章 世界のリーダーがSDGsを語る

  • 国連が金融機関のネットワークと策定 「SDGsへの貢献」に認証基準
  • 200強の団体を巻き込み、ベンチマーク開発 人権も食料も、企業スコア公開へ
  • パーム油の認証制度「RSPO」のトップ 認証取り消し”事件”を語る
  • 将来シナリオに基づく開示を要請 SDGsを巡るリスクにも注目

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