書評 池上彰

書評「伝える仕事 池上彰」【プレゼンや動画インタビューの方法を学べる】

次の2点についてお伝えいたします。

・この本を読むことで得られること
・この本の感想

私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。

書評「伝える仕事 池上彰」【プレゼンや動画インタビューの方法を学べる】

伝える仕事 池上彰

著者 池上彰
出版社 講談社

この本を読むことで得られること

池上彰さんといえば、テレビなどでわかりやすい説明で人気の解説者です。
ご存じの方も多いと思います。
テレビを見ている人に飽きさせない、引き込ませるそんな魅力を持った方です。

ある人の言葉で、本当に頭の良い人は難しいことはわかりやすく説明できる人のことだと聞いたことがあります。
まさに、池上さんはそういう方だと思います。

池上さんの著書は何冊は読ませていただいており、歴史や社会に関する内容が多いと思います。
その中でも、池上さん自身が今までどうやって仕事に取り組んできたのか、それを垣間見ることができる著書です。

その1 プレゼンの方法を知ることができる

私たちは多くの場面でプレゼンを求められます。
大学入試(総合型入試)、学会発表、就職活動、営業、開発会議、採用活動・・あげればきりがありません。

この「伝える仕事」を読むと、どうすれば伝える力がつくのかを学ぶことができます。
いかにして、テレビを見ている人がイメージがわくように伝えることができるかどうか。

まず、一つ目は伝える側に求められることは次のことになります。

「わかりやすいニュース」とは、ニュースの本質や、そこに至った背景まできちんと伝えることができて初めて実現すると思うのです。そのためには、伝える側が十分理解している必要があります。

出典:「伝える仕事」

この本の中で、池上さんは、わかりやすさのために戦っていたと述べられています。
そして、放送の前の収録の際に、出演者やスタッフ達が知らないことを知らない、わからないことをわからないと言ってくれたからこそ、番組が成功したとのことです。

他の記者の方の紹介でも、一度記事を読んで同僚に聞いてもらって、その人がどういう表情をするのか、退屈させないためにはどういう順番で話せば良いかなどについても書かれています。

そして、「聞いてわからないやつがバカだ」という考えではダメだと。聞いている人の反応を見ながらその場でも臨機応変に変える必要があると言われています。

その2 一流の人の仕事の仕方を知ることができる

池上さんの若いときから今にいたるまでの話が書かれています。
そのため、人見知りでありながら記者になって苦労したことなどものっております。

NHKの記者として採用され、島根県の松江放送局に赴任し、ラジオニュース用の原稿作成から始まったそうです。
自分の作った原稿がどのように手直しされたのか、それを深夜に戻って書き写して手に覚えさせたと。

また、夜のニュースを録音して原稿を書き起こしたりもされていたそうです。

原稿を書く上で大事な要素は「5W1H」と呼ばれます。いつ(WHEN)、どこで(WHERE)、誰が(WHO)、何を(WHAT)、なぜ(WHY)、どのように(HOW)したのかを明らかに書く必要があるというわけです。

出典:「伝える仕事」

中学生で習いますが、5W1Hという言葉を知っていても文章を書いたり、youtube動画を撮ったりする際にも役立ちます。
何かを伝える時に何が必要なのかということです。

その3 インタビュー動画の作り方のヒントになる

警察の担当になったとはいえ、ただ、事件がないですか、では話が終わってしまいます。
そこで、タイミングを見計らって、担当者にある分野の教えを乞うことで関係性を作りました。
その結果、相手との話もしやすくなっていったそうです。

言葉で場をもたせなくていいのです。よけいなことを言わなくても顔で示せばいい。黙っていれば、向こうのほうから、場をもたせようとして発言してくれるでしょう。

出典:「伝える仕事」

こういった人との会話のコツということも書かれています。
今、動画を作るということもyoutubeをはじめとして一般的になりました。

誰かに何かを話してもらうときなどに聞き手がどのように対応をすれば良いのかなど参考になることが書かれています。
じっと立って話すのがかつてのリポートでしたがそれを歩きながら説明することでわかりやすくなったと述べられています。

いつも視聴者目線で考えだしたことが動画撮影にも参考になります。

「伝える仕事」を読んだ感想

とても読みやすい本です。

そして本を読むだけで、その情景のイメージがしやすく、読んだあとにいろいろと印象が残る本でした。

この伝えるという能力は、この世で生きるほぼ全ての人に必要な能力です。
その伝え方について詳しく書かれていますので、直接参考になる箇所も多いです。

また、ことなかれ主義がはびこるこの日本の私たちにそれで良いのですか、ということも伝えています。

ここには書きませんでしたが、仕事を人に任せるとはどういうことなのか、といった誰もが悩むことも参考になりました。
私が書いたことはほんのごく一部ですが、ぜひともご一読いただければ幸いです。

目次

  1. 深夜にニュース原稿を書き写した
  2. 文章の中の「私」について考えた
  3. テレビの表現の基本は現場リポートで学んだ
  4. 企画書は、読み手の頭に映像が浮かぶように
  5. 昭和から平成への移行は皇居の中で
  6. 記者からキャスターに
  7. 「こどもニュース」を担当した
  8. 「チームで働く」ことを学ぶ
  9. 誰もが「わからない」と言っていい現場
  10. 独立を考える
  11. フリーランスになった
  12. コメントをする仕事で戸惑った
  13. 忖度(そんたく)と空気
  14. 選挙特番のキャスターになった
  15. 「人の話を聞く」ということ
  16. 新聞をめぐる連載で考えたこと

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