平井孝志 書評

書評「ロジカル・シンキング 第2弾 平井孝志・渡部高士」【ビジネス入門書】

約1年ぶりの投稿になります。
次の点についてお伝えします。

・この本の気になった点を3つご紹介

私が大学で講義をするにあたり、大学生でも「ロジカル・シンキング」の概要だけでも伝わればと思い、何冊か読んだ本についてお伝えします。

「ロジカル・シンキング」、つまり、「論理的思考」ですね。
これは採用側も意識していることです。
この思考はいつもしている人にとっては当たり前のことですが、感情やカンとある意味対極的にあるものです。
しかし、論理的思考を使っても、不確定な部分は多いため、最終的には、「カン」に頼る部分は多いです。

この本は、論理的思考について書かれているだけでなく、パワーポイントの表のまとめかたや、物事のとらえ方など、ビジネスマンとして必要なスキルを広く浅く書いた本です。
まずは、この本を読んでビジネスで用いられる手法や視点についてつかむことができると思います。

この記事は、2,3分で読めますので目を通していただき、何か一つでも参考になることがあればと思います。

書評「ロジカル・シンキング 第2弾 平井孝志・渡部高士」【ビジネス入門書】

ロジカル・シンキング

著者 平井孝志・渡部高士
出版 日本経済新聞出版
2022年3月15日 2版1刷

ビジネスにすぐに役立つロジカル・シンキング

自分の将来のキャリア形成などにおいても、ロジカルに考えると、今何をすべきか、将来何をすべきかが見えてくるはずです。ロジカル・シンキングは、ビジネスパーソンとして生活するうえでのOS(オペレーティング・システム)と言ってもよいのかもしれません。

引用 P.18

ロジカルシンキングという言葉自体は知っていても、あまり意識して使っていることはないかもしれません。
コンサルの方が出している本が多いところを見ますと、実際、何かの提案などで使われることが多いのでしょう。
ただ、提案と一言でいっても、実際の多くの仕事においては、提案するシーンは実は結構多いです。

自分の将来の展望だって、自分に対する展望とみることができます。
そういう意味で、ビジネススキルの「OS」(PCならWindows、iphoneならiosなどの部分)という表現はなかなかいい表現かと思います。
パソコンなどの「OS」は意識して使われていませんが、どのパソコンにも必ず入っている「共通語」のようなものです。

問題とは、あるべき姿と現状のギャップ

問題とは、あるべき姿と現状とのギャップです。解決策は、そのギャップを埋める方法ということになります。あるべき姿や、現状を正しく理解できていなければ、問題解決に結びつくことはありません。
(中略)
現実の世界で最も恐ろしいのは、「間違った問い」に「正しい答え」を出してしまうことです。それは状況をどんどん悪化させてしまいます。
「解決不可能なものは問題ではない」
「すぐに埋められるようなギャップでは意味がない。」

引用 P.70

問題は明確なようでいて明確ではないということです。
例えば、売上を上げると一言でいっても、1.5倍にするのか、10倍にするのかで考えらる手法は異なります。
また、問題を解決するための期間はどれくらいなのか、使用することのできるリソースはどれだけあるのかなどを考える必要があります。

なぜを5回繰り返す

問題の裏返しは答えではありません。対症療法ではない、真の答えに行き着くためには、なぜを5回繰り返すことが最も有効です。
「営業の質が低下したから、質をあげよう」「算数の点数が上がらないから、算数の勉強をしよう」、こういった短絡的な考えでは、なかなか効果があがりません。真因が明確になっていないからです。真因に行き着く、最もシンプルで効果的な方法が、「なぜを5回繰り返す」です。

引用 P.86

この言葉は昭和から言われてきた言葉です。
ある問題などに対し、「なぜそうなのか」を繰り返すから、より、深く切り込むことができます。
上の例にもありますが、算数ができないといって、算数の勉強をしようでは、なんの解決策にもなりません。
算数ができないというのならば、何ができていないのか、どういう間違いをしているのか、そして、どういう練習をしてきたのかなど多くの切り口があります。
それを明確にするために、「なぜ」を繰り返すということになります。

他にもロジカル・シンキングというタイトルでありながらも、ビジネスの基本となる話が多く書かれています。
また、ロジカル・シンキングに関する部分も載っていますが、深く書かれているというよりも、軽く使えるようになりましょう、というスタンスの本です。
ページ数も少ない本ですので、ざっと興味のあるところを読み、実際に使っていくという形の本です。

-平井孝志, 書評

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