書評 照屋華子

書評「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル 照屋華子・岡田恵子」【論理的に考えるための解説と演習】

次の点についてお伝えします。

・この本の気になった点を3つご紹介

私自身、ビジネス書、技術系書籍などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。また、新聞は4紙(日経、読売、朝日、神奈川)、WSJなどを購読しております。

この本は書かれたのは20年前に書かれたものですが、ロジカルシンキングの根本は今でも変わることはないため、そのまま読んで使うことができます。
もちろん、20年前はインターネットの黎明期(れいめいき)ですのでストーリー的な部分や時代背景は異なります。

少し分厚い本ですが、読みやすく図も多く、何より例題がある点が面白いです。
ロジカルシンキングをどのように使えばいいのか知ることができます。

この記事は、2,3分で読めますので読んでいただき、何か一つでも参考になることがあれば幸いです。

書評「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル 照屋華子・岡田恵子」【論理的に考えるための解説と演習】

ロジカル・シンキング

著者 照屋華子・岡田恵子
出版 東洋経済新報社
2021年6月14日 第57刷発行

MECE-話の重複・漏れ・ずれをなくす技術

自分の結論を相手に説得するとき、その根拠や方法に重複・漏れ・ずれがあっては、相手の理解を得ることはできない。逆に、私たちが重複・漏れ・ずれを認識できるのは、「あるべき全体」がどのようなものかがわかっているときだ。この話をする際には、全体としてこういうポイントを押さえておかなければならない、ということがわかっているから、目の前に示された話とそのポイントを照らしあわせて、「ここが欠けている」「この話はだぶっている」「種類が違う」と判別することができる。全体集合がはっきりしていて、その全体集合がどのような部分集合体で成りたっているのかをわかっていることが重要だ。(中略)

MECE(ミッシー)とは

ある事柄や概念を、重なりなく、しかも全体として漏れのない部分の集まりで捉えること。
Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive

出典 P.57

ロジカル・シンキングに関わる本で必ず出てくる言葉がMECEです。
MECEによって、物事を解決するために例えば問題を洗い出したり、条件を洗い出します。その際に、抜けていることがあると、「想定外でした」などといういいわけになります。

この本にも載っていますが、3C/4C、4Pといった言葉が出てきます。
この言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、これらはMECEのフレームワークです。
MECEによって、まず情報を洗い出し、それを分類する方法です。

3C/4Cとは、顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)、チャネル(Channel)です。
ここでは詳しくは書きませんが情報を洗い出すことと、分類することがまず、ロジカル・シンキングの基本になります。

論理の基本構造

論理とは、結論を頂点に結論に対する根拠、あるいは結論を実現するための方法が、1つの構造として組み立てられたものだ。そして、結論も含めて1つの論理構造内のすべての要素は、次の3つの要件を満たされなければならない。
・要件1 結論が課題(テーマ)の「答え」になっている。
・要件2 縦方向に結論を頂点としてSo What?/Why So?の関係が成り立つ。
・要件3 横方向に同一階層内の複数の要素がMECEな関係にある。

出典 P.124

論理を組み立てるには構造があるという話になります。ピラミッド型を考えてみてください。その底辺に、MECEで洗い出した情報や条件を整理して並べます。その整理したグループごとの情報や条件から導き出せることをその上に書きます。そして一番頂点に、それらをまとめて結論に結びつけるという形になります。

この本には実際の例とその図が載っていますので、詳しくはそれらを見ていただければと思いますが、言葉で書くと今書いたようなことになります。

論理パターンをマスターする

実際に論理構成するときには、2つの論理の基本パターンがあり、それを使い分けたり、組み合わせたりする。基本パターンは、「並列型」「解説型」の2つだ。
並列型の構造 根拠を並列する、方法を並列する そのうえに結論
解説型の構造 事実→判断基準→判断内容 その上に結論

出典 P.141-P.149から抜粋

並列型は論理がシンプルな時に使用され、解説型は伝え手の考え方自体が強調される論理構造と書かれています。
実際の書籍のように図や例を載せているわけではありませんので、伝わりにくいかとは思います。
ただ、ロジカル・シンキングには用途に合わせて論理構成を変えて作ることが大切だということです。

この本は、ある一部分だけ抜粋して何かを伝えるという形ではお伝えするのが難しいのですが、1つ1つがとても詳しく書かれています。
また、具体例が多いために読みやすく、わかりやすいです。

ロジカル・シンキングを実際を知ったうえで、この本に載っているロジカル・シンキングを身に着けることができます。

-書評, 照屋華子

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