堀井賢一郎 書評

書評「今すぐ書け、の文章法 堀井賢一郎」【文章を書くのは体力仕事】

次の点についてお伝えします。

・この本の気になった点を3つご紹介

私自身、ビジネス書などを年間少なくとも100冊くらいは毎年読んでおります。
そのため、本棚には2000冊以上あります。

この本の著者の堀井さんは、早稲田の文学部のご出身で・・ふと、と思いましたが、この手の本を書かれているのは、早稲田の文学部、つまり根っからのプロが書かれていることが多いです。
話がそれましたが、堀井さんのこの本はとても読みやすく、わかりやすく、すぐ使える本です。
堀井さんは雑誌の記事なども書かれていたということで、ブログなどはまさにそれにあてはまります。
ブログは「自分の作る雑誌」という面も持ちます。

具体的な書き方についても書かれていますが、そもそも文を書くとはどういうスタンスで書けば良いのかということも書かれています。

2,3分で読める記事ですので、目を通していただければと思います。

書評「今すぐ書け、の文章法 堀井賢一郎」【文章を書くのは体力仕事】

今すぐ書け、の文章法

著者 堀井賢一郎
出版 ちくま新書

読む人の立場で書け

「読んでいる人のことをいつも考えて書けばいい」
これですべてだ。
この新書で言いたいことは、ほとんどこの一文に尽きます。
ただ、それがむずかしい。
(中略)
「自分の主張を曲げてでも、読者に楽しんでもらおうとしてますか」というのが一番のポイントでしょう。

出典 いますぐ書け、の文章法 P.16

どうしても、何かの文章でも、作品でも良いのですが、自分を表現したものを作ろうとします。
天才芸術家とか、天才作家ならばそういうことはあるかもしれません。

ただ、多くの場合は、天才でもなんでもないことが大半です。
それならば、まずは読書ファーストにしないといけないですよ、ということです。

他の記事に載せた「読みたいことを、書けばいい。」の田中さんも、

調べたことを並べれば、読む人が主役になれる。
調べもせずに「文章とは自分の表現をする場だ」と思っている人は、ライターというフィールドでは仕事をすることができない。
いまからでも遅くはない。そういう「わたしの想いを届けたい!」人は、歩道橋で詩集を売ろう。

出典 読みたいことを、書けばいい。P.149

と言われています。

強く書く

文章を書く心構えのうち、少し具体的なことに触れる。
文章を書くときには「強く書く」ということを意識しないといけない。
「諸君、異論はあるか。あればことごとく却下だ。」
これは森見登美彦の小説の主人公が叫ぶセリフであるのだが文章書きが常に心に携帯しておきたいセリフである。

出典 いますぐ書け、の文章法 P.105

自分なりに調べて、他にないということを確認して、さぁ、自分の意見を書く。
その時には不安はあるのは当然だと言われています。
ついつい、「~と思います。」としたくなります。
それをやったらダメですよと。

「~思う」
「私は~」

この2点を極力なくしましょう、と言われています。

その「私」って誰だよってなるからです。
ついつい、書いてしまう、その2点を無くすことでだいぶ文章の雰囲気も変わります。

文章を書いたあとに、見直してそのときになくしていけば良いですね。

ライターは体力勝負

毎日、文章を書き続けるには、すごく体力が要るのだ。
そもそも、自分のあり余っている元気をその原稿に注入して、向こう側にいる人にその元気を届けたいという、そういう心持ちでないと、なかなかおもしろい文章は書けない。人を動かせる文章は書けない。
体力のない人は、まず体力をつけるか、もしくはその体力に合わせた文章発表量で(寡作作家というやつですな)やっていくしかない。
だから、文章を書くというのは老人向きではない。
定年退職して、そのあとが時間たっぷりできたら、よし、何か書こう、なんておもってる人がいるなら、もうそう考えてる時点で”人に読んでもらえるもの”が書ける可能性がかなり低いですね。だめだよそんな考え。いま書け。いますぐ書き始めなさい。

出典 いますぐ書け、の文章法 P.181

一般的なイメージとして、PCに向かってひたすら文章を書くというと、体力のない人でもできるのではないかと思えます。
ところが、それは全く違うと。
文章を通じてあり余る元気を読者に届けるつもり、つまりそこまでの体力がないとライターの仕事ができないと言われています。

これには、私は全く気付いていませんでした。
なぜ、有名ブロガーでお年寄りをみないのか、むしろ不思議でした。
知識や情報、人脈も多くもっていますので、いくらでも発信できるのではないかと。

単純に、PCを苦手とする人が多いのではないかと思っていましたが、そうではないということです。

だからこそ、今すぐ書きなさい、ということです。

堀井さんは、時間がない人の方が良いものを書けるとも言われています。時間がないというのは、人のためになんらかのことで忙しいわけだから、人のための文章を書くことができるとも言われていました。
なので、「締め切り」が大事とも書かれています。

いつ書いても良い、というような状況でやっていると、いつまでも良いものは書けないともいえそうです。

以上3点、気になった個所をピックアップしました。
文章を書くということについての具体的な方法から心構えまで載っておりますので、一度手に取っていただければと思います。
ライターはもちろんですが、ブログ等で書く人にとっても必要な内容でした。

目次

1章 プロとアマチュアの決定的な差
2章 文章は人を変えるために書け
3章 客観的に書かれた文章は使えない
4章 直観のみが文章をおもしろくする
5章 文章は言い切らないといけない
6章 文章で自己表現はできない
7章 事前に考えたことしか書かれてない文章は失敗である
8章 文章を書くのは頭ではなく肉体の作業だ
9章 踊りながら書け
終章 内なる他者の形成のために

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