私は起業する前、IT分野で3年のシステムエンジニア、メーカーで組み込み系エンジニア8年働いてきました。
組織の仕事では、仕事ができる人もいれば、そうでない人もいます。
仕事ができる人たちを見ているとあるルールがあります。
それは、仕事のできる人は仕事や事象を社会においてどうなのかという視点で見ています。
それがどういうことなのかについてお話していきます。
私はとても不器用です。
人より理解が遅く、覚えるのも苦手です。
基本的に人より能力が低いと思っています。
だから持てる時間を使って数千冊の本を読み、人や社会を観察して答えを見つけようとしています。
それでもメーカーでは認めていただき、開発だけでなくリクルーターから、技術営業として国内、海外に出張し、自分の思うように面白いように働くことができました。
そして今では起業して10年ビジネスを続けてきています。
そこで実践してきたこと、気づいたことについてお伝えします。
仕事「仕事のできる人は、物事を社会から見る」
このことは組織においても、起業してからも感じることです。
視点をどこに持つのかということです。
技術者の多くが、割と近眼になります。
それは、パソコンを使うからという理由のリアルな近眼ではなく、近くしか見ないということです。
近くというのは、目の前の仕事、近くの納期ということです。
確かに専門職という場合はそれを求められている場合もあります。
言われたことだけをきっちりできればいい、のような感じですね。
ただ、それが本当に良いのかというと、私は時代的には変わってきていると感じます。
こんなステップでしょうか。
自分の仕事がよければいい
自分の部署がよければいい
自分の会社がよければいい
自分の業界がよければいい
自分の社会がよければいい
世の中がよければいい
今やっている仕事がどこの何につながるのかということを常に意識した方がよいという話です。
それがわかるから、今の仕事がどこにつながるかを考えることができます。
それがわかると、目の前の仕事にも意味を見いだすことができます。
ただの作業はこれからの世の中、ますます減っていきます。
機械がやるようになるからです。
何か意味を見出し、目的をもって取り組むことができるのが人です。
逆にその視点を持っておらず、自分のことしか考えていないと、つまはじきにあってしまうのが世の中の常です。
そもそも、ただ作業をやっているだけならば、その仕事は替えがききますから、安く使われてしまうか、AIにとってかわってしまいます。
SDGsなどを意識することはまさに社会の視点ということができます。
まずは社長や、自分より二段階くらい上の役職の視点で
いきなり世の中や社会の視点を持つというのが難しければ、まずは自分は社長であるという視点でもよいです。
社長の視点でも難しければ、自分より二段階くらい上の役職の視点でもよいです。
「自分は社長である」という感覚を持って、仕事を進めていくと、今まで見えなかったものが見えてくることがあります。
一つ上の視点で自分の仕事をとらえると、それがどこの何につながっているのか、将来、どういう方向性にすればよいのか、ということに気づいたりできるのです。
つまり、一担当者だったときの視点よりも、少し高い視点から見ることで仕事が、言われたことを行った、というだけではなく、それにプラスアルファをした仕事ができるようになります。
社長を目指していないにしても、会社や、部署全体を見たときの視点を持つことで、同じ仕事をしているようでも、長期的な展望をもって仕事ができるようになります。
つまり、先回りした仕事ができるようになります。
小さなことかもしれませんが、ある仕様書に基づいて、何かを開発したとしたとき、状況がいろいろ変わって、ある部分の仕様を変更して欲しいと来た時も、その市場の全体像が見えていると、「その部分は、既に実装しています」と瞬時に対応できたりする、ということもあるかもしれません。
視点が高くなると、仕事の先回りができるようになるのです。
よく「なんで、言われたことしかやらないんだ。」と言って怒られる人は、その目の前の仕事しか見ていないからです。
目の前の仕事だけを見ていると、視点がどうしても近眼になりますので、行き当たりばったりの仕事の仕方になってしまいます。
また、何か仕様変更があるだけで、自分の仕事が増えたと腹立たしくなります。
視点が高くなると、先回りできるだけでなく、仕事がなんらかの理由が増えたとしても、その必要性などについても理解することで、イライラすることも減るのではないでしょうか。
自分の目指す形になるには形から入る
今、社長の視点でという例をあげましたが、社長でなくても、何かを成し遂げたいことがあるのならば、まずは形から入ると実現しやすくなります。
おまじないみたいなものだと思っていただければと思います。
先の社長ということであれば、自分の部屋に社長のような机を置くだけでも変わっていきます。
社長ならば、こういう筆記用具を使うだろうな、とか、カバンはこういうのではないか、など自分の考える社長像を作って、何か一つだけでも、自分が社長だという道具を持つようにします。
まずは、そのなりたい形に成り切ることです。
超有名な映画監督、スティーヴン・スピルバーグは10代後半からハリウッドの使用されていない掃除部屋をオフィスとして出入りしていたという話すらあります。
つまり、自分のなるべき形を先に作っていたということです。誰もいない時間には監督の椅子に座っていたということですから、10代のときのまだ何もなかったときから、彼は有名な映画監督であるという意識を持っていたのだと思います。
準備ができている人に物事は回ってきます。