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技術「なぜ、ドローンが注目を浴びているのか」

元組み込み系エンジニアの視点で、少しドローンについてお話しいたします。

自分がプログラムのコードをかける、電子機器を組むことができるといっても、それは作る対象があって初めて作ることができます。
もちろん、コーディング自体に興味を持つ人もいます。
しかし、世の中に何が必要なのかを見据えながら、技術を身に着ける方が、より高度なものを作れると考えるからです。

ドローンについて話すと、おそらく、数十記事でも収まらないくらいの内容になると思います。
ここでは、ドローンの概要と今後の使われ方についてお話していきたいと思います。

今の世の中がどのような形で技術革新が起きており、今後どのようになっていくのか、その概要をつかめるようになります。
もともとエンジニアですので、ここ数十年の流れを見たうえでのお話をいたします。

技術「なぜ、ドローンが注目を浴びているのか」

 

現状の仕様でも本体価格が下がり使用用途が見えてきたからです。
2010年くらいからドローンの記事について目にするようになったと思います。

ラジコンヘリなどは昔からエンジンで飛ぶものもありましたので、何も新しいことはないように思います。何が新しいかといえば、安価で、小型に制作することができるようになったということです。

なぜ安価に作れるようになったのか

仕組みからすると、モーターが複数あるだけの簡単な仕組みに見えます。実はそこまで単純ではなく、これを20年前に行おうとすると、かなり大型なもので、かつ、バッテリーの稼働時間もほんの少ししか持たなかったでしょう。つまり、ほんの少しの時間しか飛ばないにも関わらず価格も莫大というものになったことが予想されます。

そのため、テスト的に開発はしても、量産されることはなかったのではないでしょうか。
なぜ、安価に制作できるようになったかといえば、以下の部分の小型化、高性能化が進んだことです。

・モーター
・バッテリー
・電子ジャイロ
・制御装置
・カメラやセンサー

もちろん、これ以外にも、地面との距離を測るセンサーや、障害物をよけるレーダー部品なども安価に開発されてきたことや、位置を検出するGPSや、現時点での通信環境がそろってきたなども要因としてはあります。
少し話がそれますが、ラジコンヘリは、1980年代からヤマハ発動機などのラジコンヘリが農業用に使用されておりました。ただ、動力がエンジンですので、細かい制御ができません。恐らく、かなり高価でかつ、操縦も難しかったことが予想されます。

今後、AI(人工知能)がより高度になっていくこと、また通信方式としては5Gが進むことで、ドローン自体が自律化することは間違いありません。ただ、現時点では法整備が整っていないためにいますぐに自律飛行するドローンを目にすることはないと思います。

ドローンの用途

 

現時点ではホビーや、撮影用途が主流ですが、今後は農業、建築、防災、警備、配送など様々な分野で使用されることが予想されます。

農業

もともとアメリカなどでは、大農場を飛行機やヘリコプターなどを使って農薬散布といったことを行っていましたが、日本においてはそこまで大きな農場というものは少ないです。そのため、ドローンで散布することによりスピーディーに安価に行うことが予想されます。

また、空中からの画像処理を行いながら、病気になっている部分を見つけてその部分に特定の薬品を散布というような使い方も予想されます。従来は、人が一つ一つ見て探していたものを、空中から確認しながらスピーディーに対応するということができるようになります。

この時には、RTK(リアルタイムキネマティック)対応GPSを使用することで、GPSの誤差を数メートルから、数cmにすることができるといわれております。ここまで細かい位置制御ができるのであれば、日本の農業においても十分使用できると思われます。

建築

建築物の進捗状況や、建築前の土地の調査などに使用できることが予想されます。
ドローンに搭載されたカメラを使用することで、3Dモデリングもできます。実地測定を行う前にある程度のシミュレーションを行うことができます。
橋の点検などにも使用できます。従来であれば、人が行くためには大型重機を使わないとならなかったところなども容易に撮影ができるようになります。
ただ、橋も大型になってくると、目視での操作は難しくなってきますので、自律飛行するなどの制御が必要になってきます。

また、鉄塔のケーブルを張る等も従来はヘリコプターが主流でしたが、こういったところでもドローンは使用されています。より安全に、安価に行えることが予想されます。

防災

人が簡単に入れないようなところでも、すぐに飛行できることから災害時の要救助者などを見つけるといったことや、地震、津波といった災害時にも上空から撮影し、どこの道路が分断されているか、被害の大小などを把握することも可能です。
火山の噴火の状況調査などにも適していると思われます。熱センサーを搭載して撮影すれば火山がどの程度の熱をもっているのかなどを見ることで、さらに噴火がせまっているのか、それともそうではないか、ある程度の予想をたてることができます。

警備

近年ではあちこちに監視カメラが設置されるようになりました。ところが、監視カメラはあくまで固定です。監視カメラが見つけた異常個所にドローンを飛ばすことで詳細に状況を確認することができます。従来は、番犬がやっていた役目かもしれませんね。

配送

実験が続けられています。ものを届けるのが困難な山間部などに飛行してモノを置き、そして戻ってくるという実験です。ただ、これは割と早く実現可能に思います。その理由は、配達は人手不足が深刻な分野だからです。もちろん、住宅地において、どこにでも飛ばせるようにななりませんので、おそらく、飛行ルートが決められ、そのルート上のみを倉庫とマンション等の決まった場所に運ぶという形です。ラストワンマイルとよく言われる部分です。近くの集配センターまではトラック等で一気に運びますが、そこから自宅までの数百メートルだけをドローンに任せる形です。飛行ルートは川の上や、海沿いなど、万が一落下しても被害が大きくならない場所が選ばれるはずです。

移動

空飛ぶ自動車といっても良いと思います。多くの会社が資金を投じて開発を急いでいます。特に自動車会社が航空機関連の会社と手を組んで開発をしているようです。これについては、おそらく、実現はされるかとは思いますが、どうもこの飛行形態ではないと考えています。プロペラで回して上に上がるという形の場合、地面にタイヤをつけている構造とくらべると細かい動きができないからです。ただ、この開発によって、新しい動力がうまれたときにそのまま活かせる形になるのではないかと思っています。また、移動のためにはそこまで高く飛ぶ必要もありませんので、少し浮かせて、走行しながら道路から充電しながら進むような形なら現実的にもあると思います。

ドローンのこれから

 

まず、一つ言えることは、人が操作するのではなく、自律化が進むことです。

今、自動車においても自動運転の開発が進んでいます。そこで使用されるのは当然、AIの技術です。また、5Gが進むことで現在よりも情報量が増えることで高度に制御されるようになります。また、撮影される解像度も4K以上になっていきます。

それにより、今までみたこともないようなたくさんの美しい映像を見ることができるようになると思います。
今回は空中のドローンのご紹介でしたが、水中のドローンというものもあります。そこで見られる映像はきっと素敵なものになります。
人が簡単に入れないところでも映像を高画質に撮影されることで、まるで空を飛んでいるようなVR映像も進むでしょう。

ドローンがより高度になることで人を楽しませてくれたり、人を守ってくれる用途もますます進みます。

しかし、ドローンは、誰でもが手に入れることのできる民生品で作ることができます。そこに爆弾を仕掛ければ、すぐに兵器になります。もちろん、ラジコンに爆弾をつけても兵器になりますが、地上を走る方が障害物が多いため、目標に近づくことは難しいでしょう。しかし、空中は基本的に障害物はありませんので、兵器として目標物を爆破するといった使われ方もされているようです。

飛行機も人を載せれば旅客機になり、爆弾を載せれば爆撃機になる、これはどんな機器にも言えることだと思います。

今回、この記事を作成するにあたり、以下の書籍等を参考にいたしましたので、ご参考に載せておきます。
とても詳しく、またわかりやすく書かれておりますのでオススメです。

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