次の点についてお伝えします。
・この本を読んで気になった点や気づいた点を3つご紹介し、それを人生にどのように活かすのか
私自身、ビジネス書、歴史書、哲学書、技術系書籍などを年間少なくとも100冊くらいは購入して読んでおります。
本来は、漫画家になりたい人のための本、ということなんだとは思います。
この前作の「荒木飛呂彦の漫画術」もとても面白かった覚えがあります。
私も「ジョジョ」は好きで、漫画で見ていたのは学生時代で、近年はアニメで見ています。
それでも、どういう背景で、あのキャラクターが出てきたのかなど知ると面白いです。
たぶんですが、ビジネスにおいて、仕事術にも通じる部分があるのではないかな、と感じました。
かつて、アンパンマンの作者のやなせたかしさんも、「バイキンマン」を登場させたことで、面白みがぐっと出たと言われていました。
それだけ、漫画に悪役は大切なのだと思います。
アンパンマンについては触れられていませんが、いろいろな漫画のことを例に出しながら説明してくれているのでわかりやすいです。
やはり、漫画家は、「読みやすく」「面白い」文章を書くのも得意なのだなと感じます。
この記事は、2,3分で読めますので読んでいただき、何か一つでも参考になることがあれば幸いです。
荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方 著 荒木飛呂彦 集英社新書
せめぎあい
本当にいろいろなところで、「こう描きたい」と「売れるか、ウケるか」のせめぎ合い、つまり芸術VS.商業のバトルが起こるのです。(略)
「ここ、なんかブレているよな」とか「なんか折れちゃったな」という漫画を見ると、「ウケたい誘惑に負けてしまったのかな……」と想像してしまいます。P.18より引用
仕事や、人生においても、こういったシーン、多いのではないでしょうか。
こっちをとれば、こっちがたたない、みたいなことですね。
例えば、
「この上司を立てて仕事をすると仕事はしやすいけど、部署内では嫌われてしまうな…」
というような時、どうするか、です。
これは、まさに生き方です。
荒木先生も、「ブレるな」と言っているわけです。
今書いたような例では、「あなたはどうやって生きる人なのですか」という質問です。
「上司をたてて社会や組織を良くしていきたい」と考えるのか、
「部署をたてて波風立てずに働きたい」と考えるのか。
両方のバランスをとりながら進むといえども、あなたの軸はどこにありますか、ということが大切になります。
悪役も「前向き」
主人公でも悪役でも、少年漫画のキャラクターの基本パターンは「成長させていく」というもので、だからキャラクターはいつも前向きで、ディオも吉良吉影もヴァレンタイン大統領も、『ジョジョ』の悪役たちは皆、自分の「悪」を肯定し、悩むことなく、ひたすら自分の道を進んでいきます。
P.72より引用
ここで以外だったのは、「前向き」というのは、「正しい」行動にのみあるかと思ってしまいますが、確かに違いますね。
悪役にも、悪役としての「前向き」があるわけです。
そもそも、「良い」「悪い」を決めているのは、その人たち本人にすぎません。
そういうところでは、自分の信じることを「前向き」に行うことが結局のところ、人が「成長」できるのだということです。
どんなに「良い人」だとしても、その人が、「どうせ自分は」「あいつは…」などと、「後ろ向き」だったら、当然、精神が病んできます。
なぜなら、それは、「病んだ」考え方だからです。
そして、本当に病気になったり、鬱(うつ)になったりして、病院に入院したり、薬を手放せなくなったりすることがあり得ます。
きっと、人は、もともと「前向き」に生きるようにセットされているのだと思います。
それに逆らうと、身体も心もおかしくなるのでしょう。
ちやほやしてくる人は敵
誰でも自分の漫画を褒められたら嬉しいものです。ただそこにハマっていくと、やがて「こんなにしんどい思いをしてまで描かなくてもいいか」となり、そこから次第に「描こうとしても描けない」という状態に陥っていきます。はっきり言わせてもらうと、ちやほやしてくる人は漫画家の敵であり、破滅への道に引きずり込もうとする悪魔です。彼らの言葉を信じてはいけませんし、のぼせているとだまされます。
(略)漫画家になるのであれば、もっと漫画を描くことそのものにちゃんと向き合わないといけません。
P.178~P.179より引用
この話など、まさに漫画だけでなく、仕事や人生にも通じる部分かと思います。
この本のどこかにも書かれていましたが、「ほめられて伸びる」のは子供だけという部分もありました。
仕事をしていると、「厳しい」場面に多く出会うこともあるかもしれません。
客先や上司からの叱責などもありえます。
そういう中で、「くさって」しまった人は、本当はもう降りた方がいいんです。
「病んで」しまいますし、周りに迷惑をかけます。(本人は意図していないが)
「自分のメンタルを守ること」が第一条件とこの本にも書かれていますが、そういった叱責から自分なりに対策を考えていくことが大切だとありました。
仕事でもプライベートでも同じです。
「嫌なことを言う人がいる。じゃあ自分もそうやって接しよう」ではないのです。
いつでも、自分なりの誠意を尽くす。
それでも、嫌われてしまうことはあるでしょうけども、あいつが嫌だから、こっちもそうしてやれ、ってどんだけ子供なのか、ということです。
だいぶ、本題からそれましたが、「ほめてもらうため」に仕事をしていると、「ほめてもらえないとき」に苦しくなります。
「ほめてもらえるように」というのは、きっと大事だし、それで、大成した人もいます。
でも、もっと遠くに行きたいのならば、きっと、「ほめてもらうため」ではなく、「自分で自分をほめられるように」生きていけばいいのではないでしょうか。
まとめ
この荒木先生の本は面白く読みやすいです。そして、新しい視点がもらえます。
私は決して漫画を描くわけではありませんが、キャラクターなども知っているし、話の中で、ドラゴンボールのことも出て来たり、数多くの漫画家について、さらっとふれています。
自分の知らない、漫画家から見た漫画家の視点も斬新です。
多分、この本を読む人の大半は、漫画家になることを考えている人ではないと思います。
普通に、「ジョジョ」好きな人もたくさん買っているように思います。
「あの漫画の、あのシーンはこういう意図があったのか」など、種明かしをしてもらっている、そんな気分になります。
「ジョジョ」を知っている方が、話はわかりやすいですが、知らなくても楽しめるのではないかなと思います。
是非、一度読んでみていただけることをおすすめいたします。