私は起業する前、IT分野で3年のシステムエンジニア、メーカーで組み込み系エンジニア8年働いてきました。
組織の仕事には、仕事ができる人もいれば、そうでない人もいます。
仕事ができる人たちを見ているとあるルールがあります。
それは約束についてです。
だれでも約束を守らなければならないと知っています。
しかし、仕事の約束、つまり納期を守らないエンジニアをたくさん見てきました。
だから守らなくては良いというのではなく、実際の約束より早めに自分約束を作ることが大事だとお伝えします。
私はとても不器用だと思います。
人より理解が遅く、覚えるのも苦手です。
基本的に人より能力が低いと思っています。
それでも、メーカーでは認めていただき、自分の思うように面白いように働くことができました。
そこで実践してきたこと、気づいたことについてお伝えします。
仕事「仕事ができる人は、約束を守らない」
誰でも、仕事に限らず、約束を守るというのは、行っている、または行っているつもりだと思います。
今さら、そんな道徳のお話をしたいわけではありません。
プライベートでの約束は人間関係が関わりますので守ります。
約束は守らなくてはならないと知っていても、守られていないことが仕事の中では多いと思います。
その守られないことが多いと思われる約束、それは納期です。
私が新卒で働いていたSEの会社では「納期のない仕事は仕事ではない」という標語がありました。
殆どの仕事には納期があります。その納期を見ながら優先度を決めます。
だれしも、「納期」を守らなければならないということはわかっています。
でも、納期が遅れるというのは良く聞きます。
納期が遅れるということは、誰かとの約束を守っていないということです。
なぜ、そのようなことが起きるかと言えば、自分の予想していない、割り込みの仕事が途中から入ってきたり、自分の見込みが甘かったりするからです。
では、どうすれば良いかと言えば、決まっている期日よりも、前倒しで自分の期日を作るのです。
他人の決めた納期という約束に仕事を合わせるのではなく、自分で決めた前倒しの約束を守ります。
これが、仕事のできる人は約束を守らないという意味です。
前倒しにする方法
いつも納期が遅れる人の仕事の方法は、仕事の進め方にムラがあります。
納期をいつも守れる人というのは、納期が近いとか遠いとかに関わらず、コンスタントに仕事に取り組みます。
つまり仕事にムラがないんです。
仕事の進め方にムラがある人というのは、その逆で、時間に余裕がある時にはのんびりしていて、就業時間が近くなると慌てて仕事をはじめたり、納期が近くなってから仕事に集中しだす人です。
毎日、コンスタントに何かを作らなければならない仕事だとなかなかそういうことは起きないかもしれません。目の前の仕事をこなしていくことで時間は過ぎますので。
ただ、メーカーやプログラマーなどのようにある程度開発期間が長いものについては、自分が仕事をしているかしていないかは自分にしかわかりません。
ダラダラしていても、テキパキやっていてもパソコンに向かっているというスタイルは変わりませんので。
一応、進捗報告があるとはいっても、誰もその個人個人のソースを見て、どの程度進んでいるかなどチェックはしません。(チェックするのが良いという意味ではありません)
ここからが前倒しで進める方法になります。
前倒しにするには、前倒しにする計画を立てます。
その方法です。
一つの仕事をパーツごとにわけて、いつまでに何をこなすのかをわかるようにします。
ある仕事にかかる時間を普段から計測します。
この二つを行います。
多くの仕事は、基本的には繰り返しです。
そして、その仕事にかかる時間は意識して計測しないと情報はたまりません。
計測というと難しそうですが、単純に時間を測るだけです。
仕事にもよりますが、分単位とか細かいことではなく、ざっくり何時間などです。
みんなかかる時間はやってみないとわからない、と言いますが違います。
ただ、一つ一つの仕事にかかる時間を意識していないだけです。
だから納期がわからないのです。
間に合わないとき
自分が決めた期日というと、甘えが出てきてしまうかもしれませんが、決まっている期日よりも早い日に終わると、完成度をあげることが出来るということもあります。
納期ギリギリで朝まで徹夜して作りました、というのは、ミスが入りやすいです。
そして、詰めの甘さが出ることもあります。
まだ若いうちは徹夜して頑張りました、というのは「頑張っている」とは思ってもらえても、本当のことを言うと、あまり評価はされません。むしろ仕事が遅いと思われます。
早め早めで仕事を進めていくと、急な仕事が入っても対応できることがあります。
また、前倒しで仕事を進めていくと、万が一、納期に間に合わないことがわかっても、それも、早い段階でわかります。そのため、上司に報告したり、周りに相談したりと時間がある分、なんらかの手を打つことができることもあります。
しかし、納期が間に合わないということが前もってわかっているほうが本当は良くても、言い出せない、ということもあります。
そもそも、はっきりモノを言える人の方が少ないと思います。
早い段階で「間に合わない」なんて言ったら、やる気があるのか、終わらせる気があるのか、という風に思われてしまうのではないか、ということもあります。
「前もって」といっても、どのタイミングなのか難しいところです。
私のアドバイスとしては、やはり「間に合わない」と自分なりに感じ、
それでいて、ある程度時間が残っているときです。
つまり手分けをし、技術がある人に協力してもらえば今なら終わる、という段階です。
もちろん、自分の判断が遅い時には叱られるでしょうし、逆に早く言っても叱られるかもしれません。
初めは自分がどの程度かかるかの判断も難しいと思います。
先ほど述べたように仕事を進めていきながら、それにかかった時間を意識してメモしていくことで、その判断はつくようになります。
一つあたりの仕事のスパンが長い仕事ほど、この視点が大切です。
受付の仕事などのように、毎時間毎時間で完結する仕事でない限り、自分が仕事にかかる時間を意識して、その時間の密度を高めることです。
そもそも仕事が遅い人は仕事の密度が薄いのです。