次の点についてお伝えします。
・この本を読んで気になった点や気づいた点を3つご紹介します
私自身、ビジネス書、歴史書、哲学書、技術系書籍などを年間少なくとも100冊くらいは購入して読んでおります。
本には、「中学生から大人まで」と書いてあるのですが、中学生でも理解しやすく、当然、大人にとっても読みやすいだけでなく、参考になります。
大人が読めば、その行間を読み取ることができて、具体的な行動に落とし込め、そして社会問題を提起する際の全体像を掴むことができます。
さっと読めるけれども、必要に応じて読み返して使うような本だと思います。
この記事は、2,3分で読めると思いますので、もしよろしければ読んでみてください。
何を言っても変わらない
「何を言っても変わらない」という状況が続くと、たとえ変えられる状況になったとしても、「どうせ無理だ」と考えるようになってしまう。これを学習性無力感といいます
P.13より引用
この点は、社会問題に限らず、さまざまな組織で見られます。
子供達は、小中学校で、「社会のルール」というものを押し付けられ、「従わせる」ということを学ばせます。
素直で良い子ほど、まっすぐ従ってしまうのでしょう。
就職すれば、「うちの会社は〜」という形で、多くの人が無力感を持っています。
本当のことをいえば、「努力したくない」だけですが。
誰も「メンドウなこと」などしたくないのです。
自分に害がないのであれば、関わりたくないし、自分に害があるんだとしても、我慢すればいいや、その方がまだ楽だから、と。
ゴールを決めて、旗を掲げる
つながりを大きくしていく。
つながりを使って、変えていく。でもその前に、まずは、ゴールと理念を決めよう。
何を目指すのかを、はっきりさせるんだ。そのうえで、仲間たちを募集しよう。
P.34より引用
企業でも組織でも同じですね。
旗がある組織は強いです。
その点、「旗」を持たないようにしている組織もあります。学校や、役所ですね。
「旗」は中央にいる人たちだ、ということですので、「旗」がない、というより持たせないようにします。
(自治が効くような組織もありますが、多くはないでしょう)
自分で何かを始める時には、まずはゴールです。
そのゴールが決まっているから、そのために何をしようということが見えてきます。
学校組織が弱いのも、「旗」を持たない組織が多いからです。
もちろん、「旗」を持っている組織もありますが、これからは「旗」を持っている私立学校だけが残るのでしょう。
国公立でも、「旗」を許すようなところがあれば、それはそれですが。
企業も同じです。小さい組織であれば「旗」は本当は、非常に有効です。
解決モデルを提案する
たとえば、「こういう問題がある」という指摘だけじゃなく、「こういう法律をつくってほしい」みたいな要求を明示するんだ。
「こんなことで困っています」という発信だけだと、「どうせ世の中は変わらないよ」と考えている人は、話を聞いてくれなかったりする。
P.84より抜粋
ただ、何が問題だ、ということだけを訴えてもダメです。
必ず、解決モデル、つまり、「こうすれば解決できますよ」という案です。
社会問題にしても、組織内の問題にしても、「ここがダメだ」というだけなら、新入社員でもできるでしょう。
大事なことは、「こうすると解決できますよ」ということまで提案するから人は動きます。
この本は、「社会問題」を中心に書かれていますが、これは組織を変えていく時にも通用する方法が書かれています。
地元の政治家に相談にいくということものっていますが、それを自社などに置き換えたら、役員などに話をしにいく、ということになるでしょう。
そして、普通は1回言って変わるものでもないです。
基本的に、それを言うと言った人がやることになります。
「自分が言ったら、自分がやることになるから言わない」という人もいますが、「自分が言ったら自分がやらせてもらえるなんて幸せだ」と思えるような人は、「言う立場」にいるのでしょう。
普通は、「メンドウなこと」を増やしたくないから、余計なことを言わずにやり過ごしたいんです。多くの人は。
まとめ
今回、3つしかとりあげませんでしたが、社会を変えていくときも、組織を変えていくときも使える方法がのっています。
薄い本ではありますが、結構、丁寧に書かれています。
社会問題だとしても、組織を良くしたいと考える人にとっても参考になると思います。
もしよければ、一度読んでみていただければと思います。