次の点についてお伝えします。
・この本を読んで気になった点や気づいた点を3つご紹介し、それを人生にどのように活かすのか
私自身、ビジネス書、歴史書、哲学書、技術系書籍などを年間少なくとも100冊くらいは購入して読んでおります。
奥田民生さんといえば、「ユニコーン」で有名かと思います。
今、年齢が59-60歳ということで書かれた本とのことですが、音楽の分野で「一流」といわれる人がどのような考えでいて、還暦を迎えたときに、昔を振り返りながら今をみたときにどのような「哲学」で生きているかの参考になりました。
人には人の数だけ「生き方」があるかと思いますが、一見、「脱力系」に見える奥田さんの考え方を、「サクッと」知ることができますし、何より参考になる具体的な「行動」なども載っているのでお勧めです。
この記事は、2,3分で読めますので読んでいただき、何か一つでも参考になることがあれば幸いです。
面白がった者勝ち
仕事が辛いなら、たとえばサザン(オールスターズ)のデビューのときに桑田(佳祐)さんが着ていたみたいな、タンクトップとジョギングパンツで会社に行くのはどうだろう。
だって見るからに楽しそうでしょ?自分が「楽しくない」と思っていても、周りが「楽しそうだ」と思ってくれたら、自分も楽しくなるしかない。
仕事なんてそんな感じでなんでも面白がるのがいいと思う。
人生なんて「面白がった者勝ち」なのだから。P.23より引用
ここの内容で面白いのが、「自分も楽しくなるしかない」というところです。
「自分もたのしめるでしょう」ではなく、「しかない」なわけです。
周りがそう思ってくれるような恰好や生き方をしていれば、楽しくなってしまうしかない、と言い切っています。
もちろん、実際の仕事においては、スーツでないとダメな職場もあるでしょうし、同じ格好はできないかもしれません。でも、ワンポイントで楽しそうな恰好ならできるかもしれませんし、机に一つ何か物を置くだけでもいいかもしれません。
また、「仕事は楽しいけど、人生はつまらない」という人はあんまりいないような気もします。
大体、仕事で文句を言っている人は、自分の人生にも文句を言っているような気がします。
それならば、まずは自分のプライベートでも、「楽しそうな」恰好を取り入れてみるということも一つの方法です。
一応、仕事、人生と区切りはあるように見えますが、全部、「人生」にすぎません。
自分が「楽しめる」ことは大事ですが、周りから見て、「楽しそうに見える」ことが自分の気持ちを変えるということもあります。
ケンカをするより仲間になる
ケンカは20代前半くらいまではしていたけど、この歳になるとケンカらしいケンカはまずしない。
もちろん仕事仲間と多少の揉めごとはあったりするけど、それは仕事上のことだからしょうがない。ただ俺にとって仕事は遊び、遊びは仕事でもあるわけだから、「遊んでいるのに揉めてどうする」という思いがある。
だから楽しく仕事をする(遊ぶ)ためには、多少のことには目をつぶるようにして、自分を制しているところはあるかもしれない。P.108より引用
ひとそれぞれに、仕事に対する価値観はあると思います。
多分、ここに書いたような考え方には、反対の人もいると思います。
自分でブルドーザーのように物事を推し進めてきているタイプのような人には向かないでしょう。
もちろん、そういう時期があって、今は違うという人もいると思います。
ただ、ここに書かれている考え方は、非常に大切だと思います。
組織で働いている人は特にそうだと思います。
仕事は「遊び場」なのに、そこで、「正論」を言って、だれかをへこましたりすることになんの意味があるのでしょうか。みんなそれぞれに、理由があって、さまざまな行動や言動をとります。
もちろん、「なにやっているんだ…」と思うこともあるでしょう。時には言わないとならないこともあるでしょう。
でも、長期的に見て、本当にそれは言わなければならないことなのか。
そして、それを言ったらそのあとどうなるのか。「仕事仲間」は「遊び仲間」なわけですから、責めたりするようなところではないという考え方です。
真面目な人は、「仕事は遊びじゃないんだ。真剣にやれ」「死ぬ気でやれ」というように考えるかもしれません。それは、自分自身に対して、そのようにすればいいわけであって、他人にそれを押し付けると大体うまくいきません。
歳をとると、よく、60代?70代?の男性が、イライラしながら、周りに当たっているのをみかけます。
本人は、「正義」をやっているつもりですが、その人が一番の「ガン」になっているということに気づかないと、その人は、居場所がなくなります。それは職場に限らず、家庭でも、社会でも。
大人になってからの友達の作り方
友達がほしい人はまず、とりあえず近所の「飲み屋」に行くのはどうだろう。
詳細は次の章に譲るけど、寂しい夜は近くのBARにひとりで行って、マスターと喋って、そこから通って、だんだんと他の客とも仲良くなって……みたいな展開も期待できる。P.85より引用
これは、私自身が悩んで?いることでもあるので、具体的ですぐにできることなのかなと思います。
私自身は「人見知りだけど、人と話したい」というタイプです。
自分で人の集まりに行って、どんどん話すのは苦手なので、こういった方法もあるのかなと思います。
友達は何歳になっても作ることができるというのは、本当だ、ということを奥田さんもほかの箇所で書かれています。
確かに学生時代は、学校に通えば、強制的に同年代とコミュニケーションをとらざる得ないし、アルバイトをしたら、そこでも同世代の友達が自然とできたりするものです。
しかし、50代、60代となっていくと、仕事の関係でも、自分で意図的に友達を広げようとしないとなかなか友達はできません。ただ、逆に言えば、意図的に広げようとすれば友達はできます。
たぶんですが、人生が楽しかったと思える人というのは、それだけ大切な友達がいたということかと思います。
もちろん、多ければ多い方がいいわけでもないかもしれませんが、「自分が友達をもっと欲しいな」と感じるのであれば、それは、たぶん増やした方がいい、ということを、「自分自身」が教えてくれているのだと思います。
今、別に友達は十分足りているし、何より家族との時間が大事だから、と思うような人は、別に増やす必要もないと思います。「友達が欲しいな」という感覚があるかどうかは、人によって異なります。
まとめ
3つしか挙げませんでしたが、このほかにある程度の年齢になったからこそわかること、参考になることが数多く載っています。この本は、2024年10月21日に第1刷で、11月13日に第3刷ですので、結構、売れ行きがいいことがわかります。
こういう本が売れるということは、今は、そういう時代だといえると思います。
奥田さんも、昔よりも、今の方がずっと忙しいと書かれていました。
20代、30代の時には、「死」はまだ遠い先の未来と感じていても、50代、60代と歳を重ねていくと、だんだん近づいてきて、ただがむしゃらに仕事をすればいい、遊べばいいのではない、ということが見えてきます。
そんな時代にぴったりの本なのかもしれません。
とても読みやすく、それでいて参考になる箇所の多い本ですので、一度読んでいただくことをお勧めいたします。